ある晩一人の男が夢を見ました。
彼は海岸を主とともに歩いていました。
大空には自分の人生のいろいろな場面がぱっと現れては消えていきました。
そのどの場面でも、彼は砂浜に二組の足あとがあることに気がつきました。
一組は自分のもので、もう一組は神のものでした。
自分の人生の一番最後の場面が目の前に現れたとき、彼は砂の上の足あとを振り返りました。
するとこれまでの人生で、たった一組の足あとしかないことが何度もあるのに気がつきました。
しかもそれが自分の人生の中で最も落胆し、悲しかった時期だったことにも気づきました。
それがとても気になり、彼はそのことを主に尋ねました。
「主よ、あなたは、私が一度あなたについていくと決めたなら、
ずっと私と共に歩いてくれると言ったではないですか。
なのに私の人生で最も大変だった時期にたった一組の足あとしかないことに気がつきました。
なぜ、あなたを一番必要としていたそのときに私のもとを去ったのですか?
私には理解できません」
主は答えました。
「私の大切な、大切な子よ。わたしはおまえを愛している。
そしておまえのもとを去ることはけっしてない。
おまえが試練を与えられ苦しんでいたとき、一組の足あとしかなかったのは、
それは私がおまえを抱いて運んでいたからなのだよ」
ブランドン・ベイズ(著)
『ジャーニー 〜癒しへの旅〜』より抜粋
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